今回鑑賞した映画はこちらです。
原作レジナルド・ローズ 監督シドニー・ルメット
1957年制作のアメリカ映画です。
有名な映画ですが鑑賞したことがなく、どんな作品か分からずに見ました。
ここから感想です。ネタバレ含みますのでご注意ください。
この映画、さすが名作と云われていますね!
場面が9割以上会議室のような場所で話し合うのみで、派手な映えが全くなく、演技で魅せる映画でした。
あらすじは、
父親殺しの疑惑がある青年の裁判員裁判が行われていて、誰もが有罪と確信していた、ただ一人を除いて。陪審員12名が話し合い青年が有罪なのか、議論していく。
というもの。
陪審員11名は青年が有罪だと確信していました。なぜなら、犯罪の証拠や証言人がいるから。それだけの根拠があれば疑いようがない、青年は有罪だ、と話し合っていました。
ただ1名の陪審員(8番目の座席に座っていた人)は「有罪か分からない」と言い、話し合おうと他の陪審員たちを説得します。陪審員全員の意見が一致するまで話し合わなければいけない規定があり、有罪だと確信している11名の陪審員は1名の陪審員(8番目の座席に座っていた人)を納得させようとします。時間のかかる裁判に早く決着をつけ帰宅したい人、青年の生い立ちから有罪だと決めつけている人、証拠があり弁護士が弁護していない様子から有罪なのであろうと思っている人など、理由は様々ですが各々青年が有罪だと主張しています。
そこに8番目の座席に座っている人は「一人の命が関わっている問題なのだ、話し合いもせず簡単に判決を決めつけてはいけない」と言い、話し合いを続けます。
なぜ「有罪か分からない」のか、一つ一つの証拠や証言人について問題提起し討論していきます。話し合いが進むにつれ、有罪と確証が持てなくなる陪審員がいたり、検察の証拠を疑うのは無意味だと怒鳴る陪審員など、12人の陪審員それぞれ考えがあり感情的にぶつかり合っています。
久しぶりに画面に俳優の顔ばかりで映えない映画を見ましたが、集中して見てしまいましたね。
集中しなければと思えたきっかけは、
8番目の座席に座っていた人が「一人の命が関わっている問題なのだ、話し合いもせず簡単に判決を決めつけてはいけない」と言っていたそこからだと思います。
個人的に感じたこと
・熱く討論している陪審員、12人もいて名前も名乗らないのに分かりやすい
・8番目の座席に座っていた人が証拠や証言人について論破していく過程が気持ちいい
・感情的に怒鳴る人が最終的には誰にも意見を聞いてもらえず哀愁あり
・検察や弁護士の仕事が信用できない(青年の生い立ち?時代?)
・俳優が汗をかきながら話している姿が過熱している話し合いと相乗していてよかった
昔の映画なのに色あせていない、素晴らしい映画でした。
これは人におススメしたいです。