今回はこちらの本を読みました。
鏡の国
岡崎 琢磨 著
以下感想になります。
ネタバレ含みますので、ご注意ください。
冒頭はなんだか冴えない始まりでこれは読み終えられないかも、、、と心配したのですが、小説家の遺作の物語が面白いこと面白いこと。
本書は小説の中に小説があるって本です。
夢中になって本を読みました。
小説家自身の実話に基づいた物語なのですが、登場人物が訳ありなのに嫌味に感じない、主人公の人柄やコンプレックス、そこからの深堀がお見事でした。
また、身体醜形症が周囲に理解されない、理解されづらい病気であることも今の社会に問題提起しているようで考えさせられました。
相互失認という病気について最近見たアニメで知ったばかりでしたので、なるほど~となりました。
本作ミステリー本だということを忘れて300ページ余り読んだのですが、殺人のような怖いことは起こらず。
あれ?と思い始めたら第六章で急にミステリー小説らしく犯人に迫ったり、ドロドロした展開に。
人間、考え方を間違えるとこんな惨い人生になってしますね。
事件解決後ここで終わったらただのミステリー小説なのですが、本作は異なりました。登場人物が美しく、友情と恋心が交差して葛藤している姿が青い、それがいい。
また小説家の見事なトリックで遺作小説には削除されたエピソードがあることを優秀な編集者が気づく。
その削除されたエピソードも若者の青い友情と恋愛が結びついて、読後爽やかになれます。
この小説483ページありましたが、物語に没頭できあっという間に読みました。
読後が良く、苦しい描写が少ないのでこれは人におススメできるミステリー小説です。